毎週土曜日、TBS系列で夜10時から2時間生放送でお送りしている
「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」。
3月12日の土曜日、その第466回が放送されました。
番組オープニングゾーンにはゲストが登場。
この番組にたびたび登場しているラッパーのダースレイダーさんが、“Rei Wordup”として新しいファンクバンド「THE BASSONS(ザ・ベーソンズ)」を結成。デビューCDが16日に発売されるため、その宣伝にやって来たのでした。時間を与えればいくらでも喋り続ける油断ならないトークスキルを持っているだけに、宇多丸&番組サイドは鉄壁の時間進行で対応。それを受けて短い時間でしっかりとバンドの特徴をまとめ上げるダースレイダー氏、流石でございました。
あとは皆さんでちゃんと買い支えてあげて下さい。
WE ARE THE BASSONS
22:30頃からは番組の看板コーナー、週間映画時評「ムービーウォッチメン」。
この週、宇多丸が評論した映画は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』。クリスチャン・ベール、スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピットの4人が主演で華麗に大逆転なんて、まるで「オーシャンズ」シリーズみたいで痛快げ〜〜! ……と、高まる期待を電撃的に足払いする、ビターでシニカルで、静かな怒りに満ちた金融ダークコメディの傑作。
スカッとした話になどなりようがない、むしろ単純な勧善懲悪になど絶対にしてはいけない、そういう姿勢でこのテーマ(サブプライムショックに端を発する世界的な金融破綻)を真摯に扱っているとして、宇多丸さんの語り口もいつになくエモーショナル。映画の熱が伝わってきました。
そして、来週の映画はムービーガチャマシン(ガチャガチャの中に映画の題名が書かれたカプセルがたくさん入っている)を回した結果、スペインの新鋭監督による『マジカル・ガール』となりました。
23:00からはJ-POP DJコーナー「ディスコ954」。
この日はDJではなくスペシャルライブ。日本で最も成功したラッパーのひとりであり、プロ野球選手の入場曲に使われている率No.1でもある、「AK-69」さんが番組初登場。スタジアム級という呼び方がぴったりの、スケールの大きなライブを披露して頂きました。
そして、お互いの長いキャリアでここが初邂逅となる宇多丸とAK-69。そういう意味でもメモリアルなライブとなりました。
23:20頃からは、こちらも番組看板コーナー、毎週週替わりの特集「サタデーナイト・ラボ」。
この夜はライター/研究者のトミヤマユキコさんを迎えて、「ネオ日本食」特集。
イタリアンも中華料理もインド料理も、日本に根付いてもはや全く独自の料理に進化してね? しかもそれって我々にとって一番リアルな日常的な食いモンじゃね? ってことはそれ……“ネオな日本食”ってことじゃね? という観点から、さまざまな“ネオい”日本食(ナポリタン、あんかけスパ、中華丼、あんぱん,“ピザ味”、台湾ラーメンetc…)を考察→ひいてはこれ即ち日本文化そのものの話じゃん! という、敷居は低くく奥は深い与太話でした。た、楽しい〜!
「ネオる」「ネオり」「ネオい」など、「ネオ」の様々な活用形も聴きどころ。(例:「名古屋はネオりがキツい」)
新潟長岡のソウルフード「イタリアン」。焼きそばにミートソースをかけたもの。宇多丸と相性が悪い。
トミヤマさん曰く、ネオ日本食の真髄は「米(もしくは麺)を中心に、様々な料理がその周縁を彩っていく」という進化パターンにあり。
ネオ日本食の最前線は「ふりかけ」「おにぎりの具」「すき家の新メニュー」「ランチパック」。特にふりかけはビックリするようなヤツが出てはすぐ消えたりするのでこまめな監視が必要。
トミヤマさん、ネオ日本食をテーマにこれから一冊本を書くそうです。全力で応援したい。
ということで、お疲れさまでした〜
文/古川 耕(構成作家)
写真/小荒井 弥(音楽ディレクター)
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