ゲームの攻略法を聞きたくてキャンペーンガールに応募した加藤夏希(小5) 水着審査はスク水で
最近ではゲーム好きを公言する女性芸能人も増えてきましたが、ひと昔前までは事務所から止められていたという方も少なくありません。今回の「マイゲーム・マイライフ」のゲストである加藤夏希さんは、かなり以前からゲームやアニメ等のサブカルチャー好きとして一部で有名でした。芸能界に入ったきっかけも、なんと「ゲームの攻略法を知りたかったから」だそうです。
加藤「当時『首都高バトル』を兄がやっていて、全然兄に勝てなくてすごい悔しくて。これを作った人に聞けば、勝ち方を教えてもらえるかも、と思って」
宇多丸「作った人に?(笑)」
加藤「で、当時、首都高バトルを作っていた元気っていう会社が、キャンペーンガールを募集したんですよ。これに行けば、会いに行けるっていうので、母親に『お母さん、私はオーディション受ける!』って言って、元気のキャンペーンガールのオーディションを受けに行ったんです」
宇多丸「それお母さんなんて言ったんですか? だってそれまで、芸能活動への意欲みたいなのはあったんですか?」
加藤「えっと、そういうのはなくて、元気の会社で攻略を聞きたかったんです」
宇多丸「ですよね。急に、お母さん私オーディション受ける! って言ったら……」
加藤「母親は、『えっ? テレビに出たいの?』みたいな。でも、オーディションをやってみてもどうせ落ちるからそれで諦めるでしょう、っていうので」
宇多丸「首都高バトルの勝ち方を知りたいからっていう本当の動機はお母さんに言ったんですか?」
加藤「言わなかったんですよ。告げ口されたら、兄にバレちゃうので(笑)」
このオーディションを受けに行った当時、加藤さんは小学5年生。一般的に「キャンペーンガール」でイメージするのは、水着を着たセクシーなお姉さんなわけですが……。
加藤「びっくりしたのが、オーディションに行ったら、当時レースクイーンとかそんな感じの方を求めていたんでしょうね。二十歳以上のわりとこう、セクシーな方がたくさんいて。水着のコンテストがあるっていうから、私はスクール水着を持って行ったんですよ。名前の書いてあるやつを」
宇多丸「はははは(笑)。そもそも小5でエントリーできるんですね?」
加藤「なんか最終まで呼ばれたんですよ。それで東京に行って……」
宇多丸「周りはみんなグラビアアイドルってことですよね(笑)」
加藤「そうなんですよ! しかも、日本人はほとんどいなくて、外国人ばっかりで。ええー! 何この世界! って……」
宇多丸「そこに、スクール水着を着た、小学校5年生の加藤夏希さんが(笑)。みんなざわつきませんでした?」
加藤「たぶん、私が当時大人っぽく見られてて、年齢をあんまり見ずに写真だけで呼ばれたんですよね。でも、『しょうがっこう5年生です! かとうなつきです!』って感じで(笑)」
結局、そのオーディションがきっかけで事務所を紹介され、今に至るのだといいます。
宇多丸「……ちなみに、そのオーディションそのものは?」
加藤「あ、受かったんですよ」
宇多丸「受かっ!? 受かった!?(笑) 元気も何考えてるの!(笑)」
加藤「ただ、水着はできないだろう、と。ゲームショウとかで水着で立っているようなのを求めていたのに、まさかのこんなのが来たので、準グランプリを二人作ろうとなって水着担当の子たちが準グランプリになり、一応優勝はいただいたんですよ。私はファミ通さんの雑誌でゲームの宣伝をするという」
宇多丸「へええー! でもね、ゲームがそれだけ好きで、いきなりゲームの世界に入れたわけだから、それは願ったりというか」
加藤「そうですね。あ! でも! 攻略は聞けなかったんですよ!」
当時、同じオーディションで優勝を逃したグラドルたちにしてみれば、「ゲームの攻略法を知りたかった小5」に負けたと思うと脱力するのではないでしょうか。芸能界ってわからないものです。
■今回のピックアップ・フレーズ
加藤「(オンラインゲームでの)姫プレイに憧れていて」
宇多丸「姫プレイ」
加藤「女キャラにすることでもてはやされるというか。上手にできなくてもしょうがない、みたいな」
宇多丸「モデルで女優の加藤夏希さんがちやほやされることをゲーム内で求めている(笑)」
加藤「ドラクエ10でいうと、初期の頃はエルフで僧侶が最強だったんですよ。今は違うんですけど、当時は種族によってステータスが違っていて、僧侶でエルフの女キャラだと守られる、っていうのがあったんですけど、だんだん、エルフの女キャラ=ネカマが多いって言われるようになって。どんなに言っても私はネカマ扱いされるんですよ! そんな定型文使って! どうせ男だろ! って」
文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)