■主人公の見た目を自分に似せるかどうか問題
前回に引き続き、「マイゲーム・マイライフ」のゲストは劇団EXILEの小野塚勇人さんでした。主人公の見た目をカスタマイズできることが多い最近のゲーム。自分に似せて作るのか、はたまたまったく関係ないキャラクターを作るのか、好みが分かれるところです。
小野塚「自分には寄せないですね。自分の理想でめちゃくちゃカッコいいやつを作って、名前をふざけたものにするか、名前はめっちゃカッコいいのに、ダサい感じにするか。ほかの人が見たら、面白っと思うようなものにしています」
宇多丸「そういうときみんなどうしているんだろうっていうのを最近考えていて」
小野塚「どういうのにしているんですか?」
宇多丸「僕ね、スキンヘッドにサングラスなので、結構ね、再現しやすいんですよ。で、ついつい、できるだけ自分に寄せちゃうんですよね。僕みたいな見た目の奴が、ゲームの中で撃ったり爆破したりやりたい放題なのがウケて」
小野塚「僕、『ドラゴンズドグマ』では老け顔というか、40代とか50代くらいの顔にしたんですよ。外国人っぽい顔のパーツが多かったんですけど、なんとか目尻とか頑張ってアジア系にして、アジアのそのへんのオッサンがこの世界を救ったらちょっと夢あるなって思って」
宇多丸「あー、面白い!」
小野塚「見てて面白くて。『勇者よ』みたいなこと言われるのに、全然勇者感がない(笑)」
宇多丸「いいなー! その発想! 自分に寄せると、ちょっとどうしても美化されたみたくなるのよ。お前、自分のことこういう風に見えてるのか!?ってなるけど、違う違う違う!って(笑)」
小野塚「(オッサンのキャラメイクだと)人とか救ってお姫様抱っことかしてるんですけど、全然絵になってる感じがないのが面白くて(笑)」
ちなみに私は、ある程度自分に似せたキャラじゃないと、いまいち感情移入できずにゲームを途中でやめてしまうタイプです。そこらへんのオッサンを操作している小野塚さんは、ふと冷静になって「何やってるんだろう……」とはならないのでしょうか……。だって、オッサンですよ? オッサンが世界を救おうが救うまいが、どっちでもいいわ……となりそうです。
■今回のピックアップ・フレーズ
(ゲームをしながらどんなものを飲み食いするかについて)
小野塚「機嫌がいいときというか、ノッてるときは日本酒を熱燗にして」
宇多丸「すげえ! いまだかつてない!」
小野塚「3~4分温めてます。熱くなりすぎるとアルコールが飛ぶので3分が最適です」
宇多丸「熱燗って! ゲームとの組み合わせで一番ないですよ!(笑)」
文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)