堀井美香アナの建物探訪シリーズ、8回目。
今回紹介するのは、京王井の頭線「駒場東大前駅」から徒歩8分のところにある、『旧前田家本邸』。
かつて、“東洋一”といわれた洋館のある邸宅
- 『旧前田家本邸』は、旧加賀藩主前田本家、
第16代当主・前田利為(としなり)侯爵の本邸として、昭和4年(1929年)に竣工。 - 前田家は、かつての百万石大名の威信を保っていたが、
東京帝国大学(現在の東京大学)の敷地拡張のため、
本郷の邸宅 と 駒場の 東京帝国大学農学部実習地4万坪 が、交換されることに。 - 当時、郊外であった駒場の地に、
加賀百万石大名の子孫の屋敷ができることは、非常に珍しいことでした。 - 前田侯爵は、駒場のおよそ1万坪の敷地に、地上3階・地下1階建ての “洋館” と、
これを渡り廊下で結んだ、2階建て “純日本風の和館” を相次いで建築。 - マツ・ケヤキ・イチョウ・シラカシなど、
うっそうと茂る駒場野の林を、そのまま生かした奥庭や芝生の広場もあり、
「前田家本邸」は、常に使用人が100人以上働いていたそうで、
当時、「東洋一の大邸宅」として、存在感を示していました。 - 先月27日、2年間の改修期間を終えた、“洋館” 。
建築様式は、“イギリス・チューダー様式” で、
部屋ごとに設けられている暖炉、天井につられたシャンデリアなどは、
洋館建築当時の姿をほぼ残し、華麗な侯爵家の生活を垣間見ることができます。 - 洋館1階は、外交団や皇族を招くパーティーが催される社交の場。
入ってすぐ右手には、天井の高さが異なる、大小2つの「客室」が続きます。
2階は、家族の生活の場で、夫妻の寝室、家族団らんの場でもあった婦人室、
子供用の部屋が並び、それぞれに全く違う個性がみられます。 - なお、洋館の「客室」は、
今後、結婚パーティー や 会議の会場として貸し出す、
有料サービスを受け付ける予定があるそうです。 - ボランティアガイドの方が館内をわかりやすく解説してくれる、ツアーもあります。
気になった方は、ぜひ訪れてみては、いかがでしょうか?
旧前田家本邸洋館
東京都目黒区駒場4丁目3−55
開館時間:午前9時から午後4時30分まで(和館とは異なるので、要注意)
休館日:月曜日・火曜日(ただし祝日の場合は開館)、年末年始 (12月29日から1月3日まで)
見学料:無料