2019年6月5日のゲスト、医療ジャーナリストで医師の森田豊さん
医学的見地に基づいた「口や歯」に関する健康クイズ
歯周病になると、歯周病菌が原因で作られる毒素が悪さをして、心筋梗塞、脳梗塞の引き金となったり、II型糖尿病を悪化させたりします。また、口の中に細菌が多いと、唾液などが間違って気管に入ってしまった場合には、誤嚥性肺炎の原因となってしまいます。そこで、今日は、口や歯の健康についてクイズ形式で学んでいきたいと思います。
Q、虫歯予防に、より効果的なのは、緑茶?烏龍茶?
正解は・・・「烏龍茶」
ウーロン茶の方が、虫歯予防にはより効果的なんです。虫歯菌と甘い糖分がくっつくと、グルカンという虫歯を引き起こす成分が作られてしまうんですが、この悪者のグルカンについて、大阪大学歯学部らが調べたところ、ウーロン茶は、緑茶に比べ、6倍もグルカンを減らすことが明らかになりました。ウーロン茶に含まれているポリフェノールが大きな役割を演じているようです。
Q、食べることで、歯が白くなるのは?
正解は・・・「いちご」
イチゴに含まれる リンゴ酸が歯の表面の黄ばみを落とすと考えられています。
さらに、イチゴには虫歯予防に効果のあるキシリトールが含まれ、虫歯菌の増殖を抑えます。(ちなみに、イチゴに含まれるフィセチンという成分が、脳の海馬という部分を活性化し、記憶力を高めるのではないかという、マウスでの実験もあります。武蔵野大学とアメリカのソーク研究所による)
Q、歯磨きをすると少なくなると考えられているのは?
正解は・・・「食道がん、インフルエンザ」
愛知県がんセンターの研究によると、1日に「1度しか歯を磨かない人」は、2回以上歯を磨く人より、食道のガンになる危険性が、29パーセントも増加するそうです。口やのどには、発ガン性物質のアセトアルデヒドを作る細菌がいるので、歯を磨かないと細菌が増殖し、ガンになる危険が増すのです。また、東京歯科大学の研究によると歯磨きをこまめにしているとインフルエンザの発症が10分の1になったとのことです。
Q、歯周病の痛みや腫れの悪化と、関係があるのは?
正解は・・・気温の変化、気圧の変化
岡山大学の研究によると、気温と気圧の変化の両方によって、歯周病で生じる痛みや腫れの症状が左右されるということがわかりました。 慢性の歯周病患者さん約150人の症状と、約2年間の天候データを比較したところ、気圧が急激に低くなった2日後と、1時間ごとの気温の上昇が大きかった翌日に、症状が悪化することが多いことが分かったんです。天候変化が病気に影響することは、頭痛、神経痛、喘息などでも知られていて、自律神経のバランスを崩すからではないかと考えられています。
ちなみに、厚生労働省の統計によると、歯周病は女性がなりやすいんです。そもそも歯周病とは、細菌の感染などで歯を支える周囲の骨が小さくなり、最後には、歯が抜け落ちる病気なのですが、女性の方がなりやすいのには、理由があります。
女性ホルモンは、若いうちには歯周病菌を増やしたり、毛細血管を広げて、歯周病を悪化させる可能性があります。また、更年期を迎えて女性ホルモンが少なくなった後は、骨がもろくなり、歯を支える骨も弱くなることで、これまた、歯周病にもなりやすくなると考えらえています。
そのほか、
【中世以降のヨーロッパで抜歯をする時、一緒に行われていたのは?】
【歯磨きをした後、口のすすぎをするのにおススメの水の量は、何ミリリットルぐらい?】
など、放送の内容は↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓