6月6日(木)の「スーさん、コレいいよ!」のコーナーには、
「天気が好きすぎる予報士」こと、増田雅昭さんが登場!
今回、増田さんに教えていただいたのは、「大雨警戒レベル」の話。
新たに運用が始まった、「大雨警戒レベル」。
どんな制度なのか、まだよく分かっていない方もいらっしゃると思います。
梅雨はもちろん、夏が来ればゲリラ豪雨も心配。
これから雨が多くなりますから、リスナーの皆さん、一緒に確認していきましょう。
そもそも、「大雨警戒レベル」とは…
5月29日、気象庁は、豪雨で土砂災害や洪水の危険が予想される際、
住民に避難を促す避難情報や防災気象情報について、
5段階の「警戒レベル」に区分して伝える運用を始めました。
これは、2018年7月の西日本豪雨を受け、
国が今年3月にまとめた行動指針に沿ったもので、
そのねらいは、住民に対し、危険の度合いを端的に示し、
避難のタイミングを明確化することにあります。
増田さん、一体どういうことなんでしょう?
詳しく説明をお願いします。
昨年7月、主に広島・岡山・愛媛の3県で被害が集中した、
「西日本豪雨(=平成30年7月豪雨)」では、
事前に避難を呼びかけたのにも関わらず、200人以上の尊い命が失われました。
そこで問題となったのが、“情報の伝わりにくさ”。
注意報や警報、避難勧告や避難指示、河川の氾濫情報―。
テレビやネットに災害情報があふれ出し、携帯は防災メールや通知が鳴り止まず…
どれも大事で必要な情報ですが、あまりに多いと判断に迷ってしまいますよね。
近年、防災情報がすごく増えた。
ひと昔前は、注意報・警報が主だった。
それが、ここ十数年で、特別警報、大雨・洪水警報の危険度分布、土砂災害警戒情報、
雨ではないけど、竜巻注意情報、高温注意情報、など。
この問題点については、「西日本豪雨」より前に議論されており、
今回、内閣府の行動指針に基づいて設定されたのが、「大雨警戒レベル」です。
- 要は、あまりに多くなりすぎた大雨災害に関する情報を、
5つの箱に入れて整理しましょう、というイメージ。
しかも、その5つの箱には、どういう行動をしてくださいね、とラベルが張ってあります。
みなさん自身が避難の判断をするにあたって、
適切な情報をわかりやすく発信するということです。
5段階のレベル分け。具体的にどうなっているの?
水害・土砂災害について、市町村が出す「避難情報」と、
国や都道府県が出す「防災気象情報」が、5段階に整理されています。
「警戒レベル」を最高レベル5の「命を守るための最善の行動を取る」から、
レベル1の「災害への心構えを高める」までに区分されています。
「大雨警戒レベル」の区分
- まだ事は起こってないが、警報級の大雨が数日中に降るとの予報が出ている場合。
行動としては、「災害の心構えを高める」 - 大雨注意報と洪水注意報などが出る場合。「避難場所や経路を確認」
- 高齢者や体に障害のある方など、避難に時間がかかる人は避難。
そうじゃない方も、避難の準備を。
自治体から、「避難準備・高齢者など避難開始」という情報が出る時に該当し、
気象庁からは、大雨警報や洪水警報が、レベル3に相当します。
たとえば、天気予報では、
「大雨警報が発表されました。これは警戒レベル3、高齢者など避難開始に相当する情報です」
そういった感じでアナウンスされます。 - 自治体から「避難勧告」や「避難指示」が出る時。
つまり、「避難」行動を取らなければなりません。
たとえば、「●●地区に土砂災害に関する警戒レベル4、避難勧告が発表されました。」
そういった感じで情報が発信されます。
気象情報としては、土砂災害警戒情報が相当。
天気予報では、「●●市に土砂災害警戒情報が発表されました。これは警戒レベル4に相当する情報です。
自治体から避難情報が出てないか確認してください」といったように伝えられます。 - すでに災害が発生している際に出されます。取るべきは、「命を守る最善の行動」です。
気象庁から出る情報では、数十年に1度の大雨が降っているような
大雨に関する特別警報が、レベル5に相当します。
警戒レベル5は、すでに災害が起こっている状態。
なので、レベル3で高齢者や避難に時間を要する方は避難を始めて、
レベル4で避難の対象となる地域は、全員避難している必要があるというのがポイントです。
今後は気象情報に加え、5段階の警戒レベルを補足し伝えられるので、
より直感的に危険度が感じられると思います。
「大雨警報」は出ているけど、「避難情報」が出ていない…そんな時はどうする?
市町村は、様々な情報をもとに、
「避難情報」を発令する判断を行いますので、
必ずしも、「防災気象情報」と同じレベルの「避難情報」が、
同時に発令されるわけではありません。
市町村から、警戒レベル3・4が発令されたら、
地域のみなさんと声を掛け合いながら、速やかに避難すること。
しっかりと頭に入れておきましょう。
ただし、避難所に行くことだけが「避難」ではありません。
屋内にとどまっていた方が安全な場合もありますので、
災害時には、必ず自治体からの「避難情報」をチェックするようにしましょう。
また、自宅や職場など、ふだん自分が行き来する場所が、
どういった環境にあるのか、ふだんから状況を把握しておくことが大切です。
増田さんへの疑問・質問を大募集!
さて、このコーナーでは、お天気にまつわる質問を募集しています。
どんな些細な疑問でも構いませんので、
みなさんが、増田さんに訊いてみたいこと、気軽にお寄せください!
宛先は、番組メールアドレス⦅ so@tbs.co.jp ⦆、
件名に「増田さんへの質問」と書いて、送ってくださいね♪
