7/21(日)は参議院選挙の投開票日です。週末の天気があまりすぐれないようで、投票率がどの程度になるのか気になりますが、今回は特に若者の投票率に注目しました。
7月18日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で竹内紫麻キャスターが取材報告しました。
3年前の選挙権が18歳まで引き下げられた参院選では、18歳と19歳代の投票率が46%、20代が35%、30代が44%といずれも半数割れ。今回の参院選は、若者は投票に行くのか。東京駅で聞きました。
★選挙には行きますか?
- 20代
- ●「選挙は?行かないです。」
- 20代
- ●「そもそも何の選挙なんですか?一般的にテレビ見てもあまり興味持って見たりしないんで。今どうなってるのかよく分かってないですね。なので、選挙自体も行こうと思わない感じですね。」
- 21歳
- ●「大学4年生です。行きます。若者も政治参加しないといけないよっていう報道とか結構ニュースでやってるので、それ見てちょっと自覚しましたね。前の参院選にも行ったんですけど、周りは行ってない人が多かったので、いろんな用事とかあって行けないみたいな人もいましたね。」
今回、幅広い年代の方に質問したところ、18歳から30代で選挙に行くと答えたのは44%。やはり半数を割りました。逆に、40代から70代の方は78%が選挙に行くと答えたので、若者の数字の低さが浮き彫りとなりました。
投票に行かない若者の主な理由としては、選挙について何も知らない、興味が無い、仕事や学業など予定があるといったところでした。
ただ、そんな現状を変えるため各自治体がいろんな作戦を実行しています。
★バスで出向く投票所!?
まずは茨城県北茨城市の作戦について、選挙管理委員会の野口郁さんのお話です。
- 北茨城市・選挙管理委員会 野口郁さん
- 「移動期日前投票所ということで、ノンステップバスを利用した、移動する期日前投票所の実施を行いました。当日の投票所が不便な地域であったりとか、直近の選挙の投票率が低かった地域のほうを選定して、それから市内の高校で磯原郷英高校という所があり、そちらにも10日に回らせて頂きました。18歳になっている人が絶対数的に少ないということはありますが、投票に来て頂いた方からは、なかなか当日行くこともできないので、また、投票に行くことがピンとこない中で、来てもらったのでいい制度だったという声は頂きました。」
バスの中に投票箱を設置して、投票率が低い地域や、投票所が高台にありご高齢の方がなかなか投票しづらい場所などに、出向いていったということです。
その一環として、投票率が低い学生にも選挙に興味を持ってもらおうということで市内の高校にも出向き、自分からは投票に行かなかっただろうと学生さんが投票してくれたそうです。
★便利で助かる、学内期日前投票所!
続いては、若者がたくさんいる学校の中に、期日前投票所を設置するという作戦です。
全国各地で徐々に増えつつあるのですが、今回は、昨日から期日前投票が始まった、筑波大学に行ってきました。図書館の中に設けられた投票所で、投票を終えた学生さんたちに感想を聞きました。
- ●「年齢24です。投票日が日曜日なんですけど、予定入ってるんで期日前に来ました。これから研究室があって、その合間に来て、投票して、また研究室帰るところです。大学の中なんで、すぐ来やすいというか、近いんで。来やすいと思います。」
- ●「大学内に出来てからはいつも行ってます。どうしても研究をやってると時間が無くてなかなか行けないことを考えるとすごく便利ですし、行こうという気になります。」
- ●「当日に行くと駅前まで行かなくちゃいけないので、ここで学校があるうちに済ませられるのはラクでありがたいなと思います。結構ここから出ることがあまりないので、自転車ですぐ来れて、というのはすごくありがたいです。」
筑波大学では18歳の選挙権が解禁された3年前から、学内での期日前投票を行っています。実際に行ってみたところ、5分毎に1人ずつ来るくらいのペースだったので、そこまで人が多いという訳ではなかったのですが、筑波大学の学生さんは日頃研究で忙しい理系の学生さんが多いので、身近に投票所があるメリットは大きいようです。
★住民票を移さなくても簡単に投票できるシステムを
そんな中、筑波大学の学生さんから、若者の投票率をさらにアップさせるための「作戦」について、こんな提案がありました。
- 筑波大学の学生さん
- 「私もここに来る前に、他の学生、教授と話をしてたんですけど、個人的に思うのは、そもそも投票したくない若者が増えているのかというと、そうとも限らないのかなと思ってまして、したくてもできないとか、大学、地方から来る学生も多いと思うんですけど、ちゃんと住民票を移してないとか、そういう人の方が多いんじゃないかなっていうのは個人的に思ってまして、そういう所をしっかり制度化していくことが、長い目で見れば投票率の向上につながるのかなと思ってまして、関心を呼び起こすとかというよりも、制度として投票までに至るエラーを無くしていくというんですかね。そういうことの方が重要なんじゃないかと思ってます。」
大学生の場合、地方から出てきて住民票を移していない学生さんも多いです。不在者投票という制度もありますが、投票用紙を地元の自治体から取り寄せるのに時間がかかります。そういうシステムを改善することが大事ではないか、との指摘もありました。