人手不足でどの業界も困っていますが、そんな中、最近「店舗」と「働きたい人」をつなげるマッチングサービスが続々と出てきています。働くと言っても、色々なバリエーションがあると思いますが、マッチングサービスも細かく分かれて、進化しているようです。9月9日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。
まずは、単発アルバイトを専門にサービスを展開している企業に伺いました。株式会社タイミー執行役員の石橋孝宜さんのお話。
★思い立ったらすぐ働ける「タイミー」
- 株式会社タイミー・執行役員 石橋孝宜さん
- 「すぐに働けてすぐにお金がもらえるアルバイトマッチングアプリ。ワーカーがアプリをダウンロードして、アプリの中で働きたいお店を探し、「働くボタン」を押してお店に行ったらすぐに働けて、働き終わったらお金が欲しいタイミングですぐにもらえるサービス。通常、アルバイトだと 面接に行ってからお金がもらえるまで、1ヶ月〜1ヶ月半かかる。しかも、2週間後までのシフトを出して、1回シフトを出してしまうとなかなか変えにくい。例えば今日予定がなくなったから働きたい、すぐにお金をもらいたい、というニーズはあるのではないか。」

単発バイトアプリ「Taimee(タイミー)」
「タイミー」は、アプリをダウンロードして 身分証明書をアップロードするだけで、すぐに働くことができるサービスです。働ける店舗は飲食店や小売店など様々な職種があり、登録店舗数は約2000カ所。当日予定がなくなってしまった時や、ちょっとした隙間時間を有効利用できるところが人気のようで、現在、アプリへの登録者は10万人にのぼるそうです。
★行ったらすぐに “店の人”!
そして実は、このサービスは現在、現役の大学4年生が開発したもので(立ち上げ時は大学3年生)、シフトが組みづらい学生たちを中心に広がりを見せているようです。そこで実際にタイミーを利用している方に話を聞きました。大学4年生の江月由衣さんのお話です。
- 江月由衣さん(大学4年生)
- 「月に2回くらい平均使っている。通常のアルバイトを2つしているけど、それでも時間が空く時がある。友達と遊ぶ予定だったけど、友達が忙しくなってしまったとか、就職活動をしていたのでスケジュールを入れづらかった。普通のバイトだったら半月前にシフトを出さなければならないが、なかなかシフトが決められない環境だったので、それが後押しとなって使い始めるようになった。
どこまでできるか自分に合わせて仕事をくれるので、例えば飲食店だったら注文を取る“ハンディ”を使えるかどうか聞いてから、使えるのであれば使ってみたり、紙で注文をとったり、ワーカーによってどのお店も使い分けてくれる。」

(左)タイミーを使って、これまで15店舗で働いた経験のある江月由衣さん/(右)株式会社タイミーの石橋孝宜さん
店側も人手不足で店が回らないことを恐れているので、初めて来た人にも丁寧に優しく対応してくれるそうです。また、応募条件をある程度絞っている求人もあるので、自分ができそうな仕事を選択でき、不安なく楽しく働けるとのことでした。江月さんが経験した中で一番凄かったのは、タイミーから来た人が9人いたカフェがあったそうです。
★自分にあったプロが見つかる「ゼヒトモ」
隙間時間を有効活用できるタイミーに対し、次にご紹介するのは主にフリーランスの方に需要があるマッチングサービスです。株式会社ゼヒトモのCEO、ジョーダン・フィッシャーさんのお話。
- 株式会社ゼヒトモ・CEO ジョーダン・フィッシャーさん
- 「 「zehitomo(ゼヒトモ)」はプロ探しのサイト。例えば習い事で自分にピッタリなパーソナルトレーナーやピアノの先生はどうやって探しますか?電気工事をお願いしたい。プチリフォームをお願いしたい時には誰がいくらで対応できますか?そういうプロ探しができるサイトになっている。カメラマンもしくはパーソナルトレーナーを自分がお願いしたい領域でプロ探しができる。プロとしても得意分野を登録ができる。」

zehitomo(ゼヒトモ)

(左)ゼヒトモで「プロ」としてボイストレーニングなどを提供する 歌手のAyaka Smileさん/(右)ゼヒトモ CEO ジョーダン・フィッシャーさん
ゼヒトモは、ネット上で自分の要望にあった「プロ」と呼ばれる専門家を選んでマッチングできるサービスです。「プロ」は、ゼヒトモに応募金500円を課金すると登録ができ、自分の得意なことで収入が得られる仕組みになっています。
このサービスはプロとお客さんをつなげる集客に特化したサービスなので、継続的に仕事を受ける場合も、仲介手数料や紹介料などは一切かからず、報酬は全てプロのものになるそうです。
サービスの種類は、英会話レッスンや家のリフォームなど基本的のものから、ふすま張替えや買い物代行など変わったものまで。依頼する側にも需要がありそうです。
★「ギグエコノミー」で働き方を多様化
このように働き方が徐々に変わりつつありますが、アメリカ出身のジョーダンさんは、海外から見た日本の働き方について最後にこうお話してくれました。
- 株式会社ゼヒトモ・CEO ジョーダン・フィッシャーさん
- 「海外でも今、「ギグエコノミー(単発の仕事)」がかなり流行っているというところで、日本ではまだ正社員の組織が多いと思うけど、海外だったらフリーランスとして、より生産性を高く、自分にあった仕事をやっていく方針がかなり高まっている。外国人の私から見て、日本にもこんなに専門性の高い中小企業やフリーランスはたくさんいるのに市場に埋もれて見えないのはもったいないと思った。なので、この市場を効率的に変革することができれば、人の生活、働き方を変えることができると思う。」
海外から見ると、日本は仕事の質は高いのですが、効率面で見るとまだまだ改善の余地があるとのことなので、働き方を多様化することで生産性を上げることが今後の目標だと仰っていました。

田中ひとみが「現場にアタック」でリポートしました!