ココカラファインでマツモトキヨシのPB商品が買えるようになるかも?!
11月25日月曜日の生活情報は、激動のドラッグストア業界について、ダイアモンドドラッグストアの副編集長・小木田泰弘さんに解説していただきました!

小木田さんはドラッグストア業界のあらゆる情報を取材し、まとめた「ダイヤモンド・ドラッグストア」の副編集長を担当。
実は、今一番熱い業界が“ドラッグストア”
前回のドラッグストア総選挙から、色々ありまして、実はドラッグストア業界は、あらゆる業界の中で、今、最も激しく動いていると言われています。スーパーマーケット業界も、今一番驚異と思っているのがドラッグストア業界なんです!
2018→2019 大きく変化したドラッグストア
2018年売上高ランキングは・・・ 2019年売上高の最新のランキングは・・・
第1位:ウエルシア 第1位:ツルハ
第2位:ツルハ 第2位:ウエルシア
第3位:サンドラッグ 第3位:コスモス薬品
第4位:マツモトキヨシ 第4位:サンドラッグ
第5位:コスモス薬品 第5位:マツモトキヨシ
第6位:スギ 第6位:スギ
第7位:ココカラファイン 第7位:ココカラファイン
なんと!トップ5社が全て入れ替わっているんです!
実はドラッグストア業界は、あらゆる業界の中で、今、最も激しく動いていると言われているのですが、その理由は、売上高が競争力に直結するからなんです。例えば、ランキング1位と10位では、商品の仕入れ値、つまり販売価格に大きい差が出る。そのため、各社が売上高を増やそうと、必死になっているんです。
ツルハとウエルシアの順位が変わった?!
1位のツルハと2位のウエルシアは共に「日本一のドラッグストアになる!」ということを目標にしているんです。
ドラッグストアだけではありませんが、小売業が売上を増やす方法は主に2つ。
①既存店舗(すでにあるお店)の売上を増やす。
②新しいお店を出店する(お店の数を増やす)
そして、②と関連して、企業買収、つまりM&Aがあります。
→ツルハとウエルシアは特にM&Aに力を入れて、売上高トップを争っているんです。
ツルハは愛知県のビー・アンド・ディー、静岡県の杏林堂薬局をM&Aしています。ウエルシアは東京都の一本堂、化粧品専門店のMASAYA(岡山県)、岡山県の金光薬品を買収。最近では高知県の「よどや」を連結子会社化すると発表しています。よどやは高知県で売上高トップのドラッグストア企業です。
コスモスは上位2社とは真逆で、M&Aは全く行わず、新規出店と既存店の売上アップで3位に入ってきたんです!今年、東京にも出店しましたが、地方の大型店舗ではなく小さめの規模の店舗ばかり。実は、この都市小型店はあくまで「副業」で、主力は郊外立地の食品満載の大型店舗です。ただ、来年は関東に九州の様な大型店舗が出てくる予定なので、さらに業界内に動きが出てくるかもしれません!

パネルを使って説明してくださいました!
スギとマツモトキヨシがココカラファインを取り合い?!
先日、5位のマツモトキヨシと6位のスギが、ほぼ同時に7位のココカラファインに一緒になりませんか?と持ちかけたんです!最終的にはマツモトキヨシとココカラファインがくっつくことになる予定です。ココカラファインはヘルス&ビューティが強く、近年は保険調剤にも力を入れていました。お店は大都市圏に多くあり、経営統合、つまり一緒になることで大きなシナジー(相乗効果)を出せるだろうと考えたようです。
マツキヨとココカラファインが一緒になると・・・
2社の売上を合算すると1位のツルハを追い抜いて、業界1位に。
売上高は1兆円、全国に3000店舗を展開するドラッグストアグループになります。さらに、最近話題にもなっているマツキヨのPB商品がココカラファインでも買えるようになるとみられ、ココカラファインのお店では売上アップも見込めます。実は、マツモトキヨシは日本でいちばん、一般用医薬品と化粧品を売っている会社です。それにココカラファイン分の売上が加わると、ダントツの販売ボリュームになるんです。そうすると商品の仕入れの面でどうしても差がつきます。ですので、1兆円の規模に追いつこうと合従連衡に動く企業が出てくると予想されます。
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