2020年1月8日のゲスト、医療ジャーナリストで医師の森田豊さん
医学的見地に基づいた人体の不思議に関するクイズ
人の体というのは、不思議なことで満ち溢れています。まだまだ解明されていないこともたくさんありますが、徐々にわかってきたこともあるんです。そんな中から、あまり知られていないであろう、人体の不思議についてクイズ形式で学んでいただければと思います。
Q、骨折した人が多い地域は、東日本、西日本?
正解は・・・「西日本」
骨折した人が多いのは、西日本なんですね。骨折の発生率は「西高東低」と言われています。厚生労働省の調査によると、 高齢者に多い、足の付け根の大腿骨骨折の発生率は、西日本で多く、東日本で少ないということなんです。
では、なぜ、西日本で骨折する人が多いのかというと、岩手医科大学らの研究チームは、「骨折発生率の地域差は、納豆の消費率が影響している可能性がある」と 発表しています。2012年、総務省の家計調査によると、西日本では納豆の消費量は少なく、東日本では、消費量が多い事が明らかになっています。
納豆には、ビタミンK2が多く含まれており、このビタミンK2は、骨の形成をうながす働きがあります。市販の80グラム入りひとパックを食べると、骨粗しょう症の予防効果が、1週間、続く事も一部の研究で報告されています。
もちろん、納豆だけ食べていればいいという訳ではありませんが、生活の中に納豆を取り入れてみてはどうでしょう。
Q、爪の成長が速いのは、男性?女性?
正解は・・・「男性」
アメリカ皮膚科学会が、「男性の爪の方が、女性より成長が速い」と報告しています。進化の過程で男性の方が、早くなったのではないかと考えられています。
昔、男性は狩りをしていたので、手先を使い、爪を擦り減らす機会も多く、その分、爪が速く成長するようになったのではないかという説が有力です。
ちなみにアメリカ皮膚科学会は、こんな報告もしています。
①爪は、1日で平均0.1mmほど伸び (10日で1ミリ)
②足の爪より手の爪の成長が、速い。(人では、足より手を使いますから)
③利き手の爪の方が、成長が速い。
④寒い冬は、指先の血液の流れが悪いので、爪の成長が遅い。
Q、体がより 感じやすいのは、暖かさ?冷たさ?
正解は・・・冷たさ
体は、温かさよりも、冷たさの方が感じやすいんです。皮膚の下には、冷たさを感じるセンサーと、温かさを感じるセンサーがあり、別々に働いているんです。
しかし、その温度センサーの数が、違うんです。1平方センチあたり、冷たさを感じるセンサーは、6~23個ありますが、温かさを感じるセンサーは、1~3個しかありません。だから、冷たさの方が、より敏感に感じるだろうと考えられています。
人にとって、冷たいという事は、肉体的に、より強いストレスになります。 人が寒い環境から身を守り、体温を37℃程度に保つ為に、冷たいという感覚を優先的、かつ敏感に感じるようにしたと考えられます。
Q、触れる感覚が、より敏感なのは、手の指?唇?
正解は・・・手の指
唇よりも、手の指先の方が、敏感なんです。皮膚に機械的刺激を与えた時、「目をつぶっていても、これらが二カ所からの刺激によるものである」と
分かる最小の距離というものがあるんですが、、それを、二点弁別閾(にてんべんべついき)といいます。
つまり、わずかに離れた二つの針で、皮膚に刺激をあたえた時「これは、一か所ではなく、二か所の刺激だ」と感じる事ができる、最小の距離のことなんです。
この二点の距離が短ければ、敏感な場所という事です。二点弁別閾は、身体の部位によって異なっていて、手の指では約3~4mm、唇では約6mmで、手の指の方が敏感なんです。
そのほかの人体の不思議に関するクイズは
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
