毎週日曜、夜9時からお送りしている
【ラジオシアター~文学の扉】
今週は宮沢賢治の『シグナルとシグナレス』を、中嶋朋子さんの朗読でお届けしました。
トークコーナーのゲストは先週に引き続き、絵本作家の荒井良二さんです。
本線の信号機シグナルと、軽便鉄道の腕木式信号機シグナレスの淡い恋物語。
その発想から広がるユーモアと共に、宮沢賢治の世界観に包まれる素敵な作品でしたね!
“ガタンコガタンコ、シュウフッフッ”
など、今回の作品ででてきた詩も、やはり耳に目に残るような描写がとても印象的で面白い。
宮沢賢治の作品は、どこか知らない時間軸を体感しているような不思議な感覚になります。
読み手によって色々なイメージや解釈が出来る宮沢賢治の作品、
ゲスト・荒井さんが描かれた絵本『シグナルとシグナレス』も、
自分の中のイメージとはまた違う賢治ワールドに出会えそうで是非読んでみたいですね!
荒井さんは絵本を作成されるとき、ページ数なども含めて頭の中で構成しながら、
まず文章を先に考えるそうです。
予め決めた文章から絵を描くとなると更に難易度が上がりそうですが、
「難しいからこそ、逆に何でも自由に描いていいんだ!」と思えるのだそうです。
「ありがちな書きやすいものではなく、違和感から生まれる何か、その瞬間が好きなんです。」と、
仰る荒井さん。
そこから広がる世界観、読み手に委ねられるたくさんの解釈やイメージ、想像力。
宮沢賢治と荒井さんの二人に通ずるものを感じつつ、
ゼロから何かが生み出される瞬間はなんて力強くて美しいのだろうと改めて思いました♪
by 永瀬千裕