■宇多丸&アッキーナ、ボス戦嫌いトークで意気投合
「マイゲーム・マイライフ」を毎週聞いていると、「ゲームが好き」と言ってもそれぞれ思い浮かべるものがあまりに違うことを痛感させられます。RPG嫌いでリアルに近い世界観の洋ゲーを好む宇多丸さんは、ゲストのRPG話にまったくついていけないこともしばしば。ちなみに、放送後記を担当している私は真逆でリアルな洋ゲーは苦手派です。
さて、今回ゲストにやってきたのは、アッキーナこと南明奈さん。アッキーナは、歴代のゲスト史上でも1、2を争うレベルで、宇多丸さんとゲームの好みが一致していました。
宇多丸「わりとこう、バイオとかメタルギアとか、(ゲームの好みが)男の子っぽいですよね」
南「銃とかナイフとか使いたいですね」
銃やナイフを使うゲームが好き、という点のほかにも、ゲームのプレイスタイルもよく似ているようでした。
宇多丸「(ゲームは)やり込んでいく派ですか? それとも、ぽんぽん乗り換えていくほうですか?」
南「んー……、結構、途中でやめちゃうタイプかもしれないです」
宇多丸「ほう、それは飽きちゃうから?」
南「よく言うと、諦めがいいんですよね。もういいいかって。やりたいタイトルがいっぱいあるから次々進んじゃう」
宇多丸「ひょっとしてあれですか? ボス戦、嫌いですか?」
南「あー、あんまり好きじゃないかも」
宇多丸「これも合いますねえ。僕、ボス戦ってなんだよって。本来のゲーム性と違うことやらせるんじゃねえよ! と」
南「ありますね」
宇多丸「今まで楽しんでたことと違うことをさせるんじゃねえって! ストレスしかないですよ。ボス戦で何回か死んだあたりで、こういうことがやりたいわけじゃないのになって」
南「ありますね、はいはい、あります」
もう、全然共感できません……! なぜ、二人はこんなにも共感し合っているのか! なぜなのか! 今まで積み上げてきた強い武器や防具、覚えた技、それらを存分に発揮できるのが、ボス戦なのに!
そもそも、「(ゲームに)途中で飽きちゃう」のも自分に理解できないポイントでした。一度始めたら、完璧にやり込み、ゲーム内のすべてのテキストを読むまでやり込む派の私。自分のゲームスキルが及ばず、クリアできない場合は、せめてもののとネタバレテキストを検索して読むほどです。
ただ、よく考えたら、RPGのようにストーリーがあるわけでもなく、アクション性の高いゲームは、結局は自分のスキルをどこまで磨きたいか、という話になってくるのかもしれません。私のように、テキストをすべて読み切ることに命をかけている、活字中毒タイプのゲーマーとは、そもそもゲームに求める目的が違っているのでしょう。
■今回のピックアップ・フレーズ
南「私、最初スプラトゥーンはCMだけ見てて、街をカラフルにして何が楽しいんだい? と正直思っていたんですよ」
宇多丸「わりとゲームの世界観の好みは、僕と近い、リアルなものがお好きなんですよね」
南「そうそう。そうなんですよ。だって、血、出ないじゃん、みたいな」
宇多丸「はははは。はっきり言いましたね(笑)」
南「そう思ってたけど、やってみたら、そのときの自分バカ! ってなりました。各々違う武器とかを使ってやるのが面白くて」
文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)