毎週日曜、夜9時からお送りしている
【ラジオシアター~文学の扉】
今週は、ゲストに長塚圭史さんをお迎えして、
ロレンスの『チャタレー夫人の恋人』前篇をお届けしました。
全く違う男性2人を演じた長塚さん。
脚本の北阪さんは、どちらも長塚さんのイメージと仰っていて、
今回1人が何役も演じる面白さが際立っていたように思います。
美しい詩的な言葉や人物像を作るヒントとなる言い回しなど、
脚本の台詞ひとつひとつを大事しているような印象を長塚さんから受けました。
中嶋さんとの掛け合いは、自然ながら言葉が凸凹浮き上がってくるようで、
お二人の芝居力の相乗効果を見られて贅沢でした。
毎度のごとく、中嶋さんの脇役の素晴らしさも炸裂。
中嶋さん担当の二役、主人公コニーと看護師ボルトンの掛け合いのシーンは無双という感じで、
皆さんに収録の様子を見ていただきたかったほどです。
対談パートでは、長塚さんが演出をしながらご自身も役者として出演するときのお話がありました。
大変な仕事量や無理難題も軽やかに飛び越えているように見えるのは、
舞台作りに必要な作業を楽しんで情熱を燃やしているからなのだろうなと思います。
面白い本に出逢ったとき、それを舞台作品にして良いものになるかどうか試行錯誤する方法や、
上演に至るまでのお話など、舞台ファンにとってもかなり面白いお話を聞くことができました。
中嶋さんも思わず熱くなって、演劇談義が盛り上がりました。
来週は後篇。ラジオドラマに加えて対談も必聴です。どうぞお楽しみに。
by田上真里奈